2018年2月15日木曜日

コラム:タトゥー/刺青とおふろ


このまえ龍宮殿に行ったときのこと。

「刺青を入れている方は当局の指示により入館をお断りしております」

って掲示がありまして。まぁよくありがちな掲示ではありますが,ところで当局の指示ってそんな法的な根拠はあるんでしたっけ?って気になって検索したら,いまのところこのYahoo!知恵袋の回答が一番スッキリします。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1267411347

ちなみに公衆浴場法の条文を読み進めていきますと…

第三条 営業者は、公衆浴場について、換気、採光、照明、保温及び清潔その他入浴者の衛生及び風紀に必要な措置を講じなければならない。」


この風紀,ってところに引っかかるのかな。とはいえ,刺青が入っていたら即アウト,って明文化しているわけではないので,結局のところは現場での判断に「当局」って理由付けを衣付けしているのではないかなぁ,と思っています。

自分の知る範囲では,460円(都内)で入れる銭湯(公衆浴場)では殆ど刺青OKではないかと。これは公衆浴場法が公衆の衛生に資する施設を規定して,それのために水道料の減免などのインセンティブが働いているため,刺青で入場を拒否することが難しいという背景ではないかと思われます。公衆浴場ではないのですが,例えば御殿場市が運営している御殿場温泉会館なども同じ理由で刺青を拒否していないかと。


その一方,営利企業として運営されているスーパー銭湯の類となると,殆どのところで刺青アウトだったりします。私企業が運営している施設なので,そこの方針が優先されるということです。考え方としてはレストランのドレスコードと同じで,それに反して入場を拒否されてトラブルを起こしても,入場者側が優位になることはまずないと思います。


なぜこういう扱いになるかというと,例えば皮膚にできてしまった痣(あざ)などの先天的なものとは異なり,刺青は(刑罰として入れられた近世ではなく現代では)自らの意志で身体に刻むものであり,その可否の判断は刻んだ本人が(デメリットも含めて)担保すべきものであるからと思うのです。


風呂好きの自分としては,行ける風呂の選択肢が少なくなるので自分で刺青を入れるつもりはありませんし,その昔に石原真理子(現:石原真理)の太眉に憧れてアートメイクに走った女子が今の細眉トレンドにどうやって立ち向かうかを想像するに,後から消すことのできない刺青を自分の身体に施したり,なかよしの相手が刺青入れたいと相談されたら全力で止めると思います。だって一緒にお風呂行きにくくなっちゃうもの。


関東エリアの公衆浴場以外の温泉で,自分の入った範囲で刺青OKなのは…
箱根湯本 天山
御殿場市 御殿場温泉会館
山梨市 ほったらかし温泉
草津市 西の河原温泉
東伊豆町 高磯の湯
(行ったことないのですが)成田市 大和の湯

…といったところでしょうか。他にも貸切風呂ができるところでは黙認されるかもしれません。

行きつけの店のマスター(刺青あり)が風呂に行く前にリサーチする方法として,電話で
「海外の友人を連れていきたいのですが,タトゥーは大丈夫ですか?」
と聞くんだそうです。いい方法だな,と思いました。

ではでは。